上田義彦さんの展覧会「Materia」が、2月10日から開催される(「Materia」とはラテン語で「木の幹」という意味)。これは、昨年3月の東日本大震災直後、上田さんが屋久島へ渡り撮影したもの。

上田さんと言えば、アメリカ・ワシントン州の森を捉えた「QUINAULT」の印象が強い。あの細部までピントが合った、深く濃密な空気感の写真を思い描く人も多いはずだが、今回の屋久島のプリントは明るい。
なぜ知っているかと言うと、昨年開かれた「火山の島」の個展についてSHOOTINGでインタビューした際に、次のプロジェクトとして、一部プリントを見せて頂いていたからだ。(「火山の島」インタビューはこちら

1991年に発表した「QUINAULT」から21年。混迷する政治・経済、また震災や原発の影響が懸念される中、千年以上生き続ける巨木を見つめる事で「人間も自然界の一部」その大きな時間軸の中で生命を営んでいることを認識させられる。
このコントラストの強い写真からは、眩しいほどの光を感じる。「希望を持って生きていこうよ」と、木に話しかけられているよう。

上田さんが持ち込んだカメラはディアドルフ8x10。 chromogenic print でサイズは1270x1020mmと大きい。

展覧会は新しく竹芝、鈴江倉庫にオープンした「ギャラリー916」のオープニング企画として開かれる。
ここは上田さんと後藤繁雄さんがキュレーターとなり、600平米のスペースを活かした写真体験の場を提供していくとのこと。

中島英樹さんブックデザインによる写真集も刊行する予定。

展示会風景

展示会情報

Gallery 916
http://Gallery916.com

ギャラリー名
Gallery 916
住所
東京都港区海岸1-14-24
鈴江倉庫第3ビル 6F
開館時間
11:00~20:00 日・月休
アクセス
ゆりかもめ竹芝駅 徒歩2分