7月16日東京・池袋にあるアガイ商事のスタジオで、ムービーライティングセミナーが開かれた。講師はフォトグラファーであり、映像のテクニカル・スーパーバイザーとしても活動している鈴木孝俊さん。
第1部(午前)は、ムービーの仕事に欠かせない基礎知識や専門用語の解説。映像制作のワークフローをわかりやすく解説。
2時間で映像系専門用語の解説から、撮影の準備、注意点、トラブル回避の方法、ポスプロでの編集まで全てを網羅してくれるので、ムービー初心者にはありがたい内容。ただし、少し駆け足になってしまうところもある。

第2部(午後)は、実践編。ここではデジタル一眼レフカメラにREDROCK MICROを装着し、実際にモデルを入れて撮影する。
プロのスチルフォトグラファーが、撮影に合わせてセッティングをカスタマイズするように、ムービーを撮る場合にも、感度やノイズリダクション。コントラストなど、ムービー撮影に於いて注意しなければならない点が多々ある。鈴木さんは、カメラの背面を大型モニタに映しながら、「なぜこのモードを選ぶのか、その理由は」と言った事を一つ一つ理論的に解説されるのでわかりやすい。
ムービーの場合は、必ず「編集」という作業が入る。超初心者には少し難しいかも知れないが、セミナーの内容は撮影後にポスプロを通すことを前提に話されている分、実践的。一眼ムービーは簡単に撮れるが、編集の時点でトラブルにならないためには気をつけなければならない点も多い(スチルのようにRAWで撮っておけば何とかなる、というものではない)。
大掛かりな撮影は別として、高い感度で撮れる一眼ムービーは小型の定常光と相性がいい。ここでは実際にモデルに入ってもらい、ブロンカラーやコボルト等の照明機材を使って撮影が行なわれた。全天候型のコボルトや下振り上振りが自由にできるブロンカラーのHMIを使用。最新型LED照明機材も紹介されていた。

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左:今回のムービーセミナーはキヤノン7Dを使用。右:一眼ムービーで撮影したMVや作品、CM等をオンエア。



左:参加者の質問に答える講師の鈴木さん。ピクチャースタイル他、ムービー撮影の際の設定や注意点を解説。



左:モデルINで本番撮影。 右:ムービー撮影に不可欠な定常光の紹介。出力ワット数による光の違いや、リフレクターによる光質の違いを解説。



2〜3分で色温度が安定するメリットも実況。

鈴木孝俊
早稲田大学卒業。(株)イマジカ時代より資生堂まきアージュをはじめ数多くのTV-CM、MV、特殊映像に携わる。また(株)ロボットをはじめとした多くの映像制作会社で新人研修講師等を務める。
現在はフォトグラファーに転身。広告やファッション、ビューティを撮影する一方、ムービーカメラマンや映像のテクニカル・スーパーバイザーとしても活躍している。