- Photographer
伊藤之一
- 2013.07.12
時折写る光の仕草に誘われて、カメラ片手にフラフラと、アチラコチラへ。
時には北に、時には豪徳寺に、はたまた海を越え何処へ。光あるところなら何処へでも。美味しいものがあればなお嬉しい。
言葉と共に描く光遊録を始めます。初めましてフォトグラファーの伊藤之一です。どうぞ宜しくお願いいたします。
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目覚まし時計で目が覚めるというよりはむしろ、光によって目が覚める事が多い。
夏は早くて冬はダラダラと、これから早起きの季節に突入である。そして滅法夜が弱くなっていく。
日中、物にぶつかる事なく歩けるのも太陽の発する光のおかげ(それだけじゃないけど!)。
これから強くなる日差しを思うと、汗かきの僕としてウンザリでもあるが、手ぬぐいを片手にカメラを首から状態でブラブラと歩いている。
先日の事だが思い立ち信州に。
ご縁ある農家に訪ねた際に山羊を撮らせてもらった。訝しげにこちらの様子を伺ってきた彼をパチリと一枚。
ミルクも採れないない彼を何故飼う事にしたのか、周囲からはなんでなんでと詰め寄られたそうだが、癒し系ということで、庭先の木に居場所を得ているようだ。そこから少し歩くと小さな森があり、好物の光りをより鮮明に感じる事も出来た。
昼間なのに暗いその場でしばし涼みながら撮影。
見られているような見ているような、写真をこうして二枚並べてあれこれ感じつつ、次の撮影のイメージを膨らませている。
あっ! とシャッターを押す時、光に促されての事が本当に多い。物の意味とか場所の由来とかでなくその光への反応。
なので、カメラ片手にどこへでも行けてしまう。怒られない限りは撮り進んでしまうというのが撮影の作法。
怒られても、もう一枚だけ! とすがってみたりして・・・。それにしても「光の誘惑」には弱い。
コンパクトデジカメのGRとGXRを携えての様々な光景との光遊録を綴りたいと思う。
伊藤之一 - Photographer
1966年愛知県生まれ。1991年日本大学芸術学部写真学科卒業 2000年博報堂フォトクリエイティブを経て、伊藤写真事務所設立。広告写真制作を主軸に、自主制作を継続的に発表している。主な写真展に「入り口」銀座ニコンサロン「雨が、アスファルト」エプサイト「隠れ里へ the invisible scene」RING CUBEがある。主な写真集に「入り口」「雨が、アスファルト」「ハレ」「電車カメラ」(ともにWALL刊)がある。今夏より「1:1」のタイトルで光の誘いをテーマに連続展を行なっている。