- Photographer
伊藤之一
- 2013.11.11
太陽はもちろん一つ。降り注ぐ光は手元に届くまでに様々なモノに多かれ少なかれデイフューズされる。
時に都市のかけらの一部が不思議なカラチや「お!」なんてモノを魅せてくれたりもする。
とりわけ晴れた日はキョロキョロ度が増してしまう。そんな中で見つけた小さな虹などなど。
様々に姿を変える光、中でも円は球にはどうも弱いらしく撮り終えた写真の中で最も多い形であったりする。
思考が写るほど思慮深くシャッターしてる訳でもなく、そこはそれつい嗜好ばかりが先にたって写ってしまうのだ。
それにしても経験だけは妙に積んでしまっているから、円や球が多いときは要注意。疲れてます。撮った写真で自らを知ります。
漁村で出会ったブイと恐竜の館のお出迎えの卵を後ろから?パチリ。
海に面した駐車場で風を全身で受けながら微妙な法則に寄ってひかれた白線に誘導されるように視線をくねらせたり、
岩場をくぐるトンネルの作り出す不思議な光にその先の光景に思いを馳せて小走りで駆け抜けたりもする。
肉眼で感じてファインダーを覗くと見えてくる光もあって、カメラのお陰で益々歩けてしまう。
気持ちも変われば見えてくる光も変わる、光が先か気持ちが先か、素敵な光には気持ちも変える力がある。
伊藤之一 - Photographer
1966年愛知県生まれ。1991年日本大学芸術学部写真学科卒業 2000年博報堂フォトクリエイティブを経て、伊藤写真事務所設立。広告写真制作を主軸に、自主制作を継続的に発表している。主な写真展に「入り口」銀座ニコンサロン「雨が、アスファルト」エプサイト「隠れ里へ the invisible scene」RING CUBEがある。主な写真集に「入り口」「雨が、アスファルト」「ハレ」「電車カメラ」(ともにWALL刊)がある。今夏より「1:1」のタイトルで光の誘いをテーマに連続展を行なっている。