- Photographer
Munetaka Tokuyama
- 2012.01.10
2012年になっちゃいました。今年もよろしくお願い致します。
皆、大人に成ったり仕事を始めると口にする事ですが一年過ぎるのが早くなった。と。
私もやはりそう思います。でも、世の中が便利になり一年の内容を考えれば年々濃さを増していっている様にも感じます。っで、今回は多数の外国と仕事をするための時間の使い方と場所の考え方について。
私の活動スタイルはちょっと変わっています。世界各国のエージェントと契約しておりまして、どの国で、どの国に対して働いていると言う感覚はあまりない。そしてどこの国の仕事がしたい。と言う事もない。居住してる場所はニューヨークになりますが米国の仕事をしているだけでもない。依頼が来たらどこにでも現れる外国人傭兵みたいな感じで動いています。
その中でバランスをどうやってとるのか? というのは私も考えてやっている訳ではないのですが、実際それほど難しい事でもなかったりしますしバランスをとる必要もないと思っています。
まず私の個人情報を晒すと私の収入のだいたいの比率を国別で表すと
米国4:欧州4:日本1:中国1
くらいになります。人それぞれになると思いますが、私の場合米国に住んでいますが米国の収入が一番多いという訳ではない。
そして撮影のない一日の例を晒すと、
8時 おはよう。<コーヒ牛乳を飲みながらNYの日本語チャンネルでめざましテレビを見る。>
9時迄 寝てる間に中国のエージェントから来たメールを確認し返信 <時差12〜14時間のため睡眠中に用件をまとめて簡潔に送ってもらう様にしている>
13時迄 欧州のエージェントとやり取り中心 <このくらいに欧州は18時になる。>
18時迄 作業&米国のエージェントとやり取り。<猫と遊びながら>
21時頃 日本のエージェントから電話連絡 <世間話w>
23時頃 おやすみ。<早寝w>
となります。勿論全く何もやらず読書、ゲームやネットに逃げたりイーストリバー沿いの公園で夕日を見ながら現実逃避する一日もあります。
このように時差がある事は、時間割がきっちり出来上がるのでそんなに大変な訳ではない。案件が重なったりニューヨークを離れた時は少々戸惑いますが、特に今迄何の問題もなく来ています。
フォトグラファーが一つの案件、特に広告の仕事に関われるのは、企画が発生し世に出る迄の間にある作業のほんの2割弱くらいではないでしょうか?
発生した企画に対して、打ち合わせー撮影ーレタッチー納品。で一応は終了します。アドエージェンシーが仕事を獲得し、沢山の物事を沢山の人間が関わり、つめて、やっと撮影と言う所で写真を撮らせてもらえる。こんな一番楽しい部分の2割を担当出来る職業ってない。「美味しいとこ取りやん!」と私は思っています。
そう考えた時に、後残りの8割の時間をどう使うべきか? その関われる2割を出来るだけ色んな国の案件で使えれば面白い。と考え今の体制になりました。
ニューヨークに住む事のメリットかもしれませんが、他国の案件をニューヨークで撮影出来る割合が高い。勿論、その国に渡って撮影しなければいけない事もありますが。
そして今感じるのですが、ニューヨークに住むと言うメリットって幻のような物で仕事のやり取りは99%メールで行なわれ、ほぼ形が出来上がった状態でやっと電話や直に会う。とう流れになります。
なので実は今、私がモンゴルで相撲とっていようとブラジルでランバダ踊っていようと、大阪の実家でオカンと喧嘩していようと誰にも分からないし、実際どうでも良い事になっています。ネット環境がある所にいれば、オカンにどつかれて泣きながらでもメールは返せる。
メールの最後に<NYは今日も相変わらず最高に刺激に溢れています。めっちゃエキサイティングです!うふっ♡>とか適当に其れらしい事書いてるだけで、ニューヨークにいる事になっちゃいます。24時間あれば、基本<打ち合わせ>が行なわれるような場所には現れる事の出来る世の中ですから。
フリーランスの人間が忙しい。時間がない。と言うのは、私は余り好きではない。本当にすべき事をして忙しいのか? 本当に費やすべき事に時間を割いて時間がないのか? 見直すべき箇所は多くあるはず。口で言うのは簡単ですが、私自身その事に気をつけて活動しています。まだ全く完璧ではないですが。。。 <まずネットの三国志ゲームを引退しないと。。。>
よって時差のある国々と仕事をすると言うのは時間的にそう難しい事ではなかったりします。勿論一人では難しいですが、その為の"環境"を創りあげれば誰でもこなせる様に思います。
ニューヨークで活動していて、基本的に欧米のマーケットは繋がっていると実感します。フォトグラファーや他のクリエイターの行き来や起用は双方に普通にあります。
「米国で欧州の案件」、「欧州で米国の案件」というのが当たり前に発生しています。それに対して、「欧米ーアジア」のマーケットはやはりまだ繋がっている感触は少なく、どちらかと言うとアジアからの一方通行で欧米からのリターンはなかったりします。
「アジアー日本間」ですらこれはまだない感じですね。ここは今、日本やアジアが一番直すべき所だと個人的に思います。マーケットが繋がると才能の行き来が盛んになり、そのマーケットは息を吹き返します。もうそろそろアジアのクリエイティブが名実共に世界をリードしても良いのではないかと思います。
欧米に数倍のフィーを払って扱いの難しい外国人さん使うだけではなく、欧米が欧米のレートでわざわざアジアにオファーしてくれるようなマーケットとコミュニティーの作成は不可能ではない。と思います。アジアが今まで欧米を憧れ続けた様に、次は欧米がアジアに憧れるような価値観が出来れば世界はもっと繋がって便利になる。それが始まる2012年になれば良いな。と思います。
私自身も今年は"試し"の年にするように考えています。まず試しに金髪にしました。
よく使うNYのスタジオのベランダから。
パリで見かけたストリートアート。この様に人種の壁や全て超えて世界が平和になれば良いですね。
Munetaka Tokuyama - Photographer
大阪出身NY在住。
現在アメリカ、ヨーロッパ、日本、香港のレップと契約し国問わずワールドワイドに広告、雑誌中心に活動中。アメリカにて受賞歴多数。Clients_NIKE,REEBOK,CANON
etc.躍動感ある写真では多分世界中で誰にも負けませんし負けてません。
WEB : munetakatokuyama.com
BLOG: munetakatokuyama.blogspot.com
TWITTER: twitter.com/#!/munetakanyc
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